ももんじや

3/2(火)
今夜は「どじょう」と決めて、家人と高橋(たかばし)の「伊勢喜」に向かったが、
タクシーを降りたら、ガス工事で休業だった、アチャー!!

下町での食事だからと、二人共思いっきり手抜きの恰好で出てきたので、
今更、銀座や丸の内と云う訳にはいかない。
肩身が狭いのと、誰に会うか分からないからだ。

道端で思案を回らしていると、家人が「ももんじや」はどうか、と言いだした。
両国橋のたもとで古くからやっている獣肉の店だ。

僕は以前両国に住んでいて、猪の剥製が軒にぶら下がっている店の前を
何度も通っていたが、行こうと思ったことは一度もなかった。

ジビエの話題の折、その店の話をしたのを、家人は心に留めていたらしい。
女性の方が食に対して、積極的だなあ!

寒いし、腹を減らした家人は普段より数倍危険なので、ここは逆らわず、
再びタクシーを拾い両国へ。

変わらぬ猪の剥製を横目に見て玄関を入ると、帳場から親父が顔を出し
「へい、いらっしゃい」、それから仲居さんに2階の座敷に通される。

古い旅館のようながらんとした座敷が並んで、他に客の気配がない。
僕の苦手な、掘り炬燵でない座敷だ。

どじょうの「伊勢喜」も、森下の馬肉の「みの屋」も、この辺の
古い店はみなそうだ。

さて料理は、熊も出る「野獣肉コース」でなく、量が控えめの
「猪鍋と料理二皿、6000円」のコースを注文。
家人は燗酒、僕は焼酎のお湯割りだ。

先ず、もつ煮みたいな味付けの、猪の煮込みの突出しと前菜。

次に、煮込む程旨いと仲居さんに言われた猪鍋を前に、鹿の刺身をつまむ。
鹿は馬刺しとそんなに変わらない、柔かい赤身だ。

店の案内のパンフレットを読んで、色々知識を得る。

「ももんじ」とは、百獣(ももんじゅう)から発した言葉で、江戸時代には
四足動物を扱う料理では、屋号の前に必ずこの言葉を付けていた。

この店は創業享保3年(1718年)で300年ののれんを誇り、今の主は
9代目に当たる。

猪は別名「山くじら」とも呼ばれ(肉食を伏せる為)、この店では、三重、
滋賀、兵庫等から野生のものを取り寄せ、養殖ものは使用していない...等々

漸く、猪の脂がべっ甲色になった頃には、一緒に入れた野菜や、焼き豆腐、
白滝もいい塩梅に煮えている。

猪鍋は伊豆の山の方の旅館で、「ぼたん鍋」として喰ったことがあるが、
今日のは丹波の野生ものだそうで、一層有難味が増すようだ。

肉は弾力に富んで噛みごたえがあり、濃厚な汁と良く合って旨い。
二種類だけの野菜も、この鍋には正解だ。

来てみて良かった。
何でも敬遠しないで、チャレンジするものだな・・・
おっかない家人も、時には良いきっかけを呉れるし、これも「塞翁が馬」か?

僕等が店を出る頃には、他の座敷からも客の声が...
こうやって、あと何代この店は続いていくのだろう???


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突出しと前菜                     鹿のさしみ

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一人前の肉                      野菜はシンプルに長葱とセリ

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江戸の面影を伝える、両国橋の袂にある大きな絵看板              

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このページは、infoが2010年3月 4日 01:38に書いたブログ記事です。

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